43 プログラミング教育

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今日一番言いたいこと。
あくまでも「プログラミングは手段」であって、結局は「相手(ユーザー)のために自分たち(メーカー)は何ができるのか」についてを深く考えるということです。

プログラミング教育

今日は長野中学校で、中学2年生の技術の授業の参観でした。
教職大学院で案内を受けた道徳、理科、技術とすべて参加しました!
素晴らしい、私。

今回は授業研究会まで参加。

授業内容はプログラミング教育でした。

新学習指導要領のプログラミング教育

新しい学習指導要領では、プログラミング教育は、小学校で2020年度から、中学校で2021年度から、高校で2022年度から全面実施となっています。
今回は中学2年生の授業でしたが、来年度からの実施に向けての先行実施だったと思います。

今日の授業のテーマ

今回のプログラミング教育は、総合の授業とからめて、SDGs(持続可能な開発目標)についてを説明するプログラムを作るというものです。
※SDGsについては、最後に説明します。

前時までにその作ったプログラムをターゲットとなるユーザー(中学1年生、大学生)に使ってもらい、レビューをもらっていました。
本時はそのレビューから、プログラムをどう改良するかという授業でした。

ここまで書いたことでわかると思いますが、非常にレベルの高いことをやっていますね。

「プログラムを試しに書いてみよう。」ではなく、
4つの視点「処理の簡潔さ」「分かりやすさ」「使いやすさ」「不具合」
を意識した上で、ユーザー(User)、メーカー(Maker)の立場で、どう考えるかを検討していました。
すなわちユーザにとっては「どうしたら使いやすくなるか。」また、「中学1年生と大学生と2つの集団でどう仕様を変えるか」であり、
また、メーカーにとっては「ユーザーのニーズに応えたいが、どこまで時間をかけてやるか(コスト)」などです。
それぞれの視点から考えながら、どう開発していくのか、グループで話し合っていました。

ま、レベルが高すぎて、正直度肝を抜かれました。

昨年度、自分が情報でやっていた授業が恥ずかしくなりましたよ。すみません。

長野中学校の生徒は本当に優秀で、すべての中学校でこのレベルではできないとは思いますが、それでも2022年から始まる新学習指導要領では、中学校からある程度プログラミングを経験した生徒が入学してきます。
2022年度以降、高校は大丈夫かなと心配になりました。

中学校技術(プログラミング教育に関する部分)

これは中学校の技術の学習指導要領の対比表です。

【技術・家庭編】中学校学習指導要領(平成29年告示)解説より引用。

これまでの中学校の学習指導要領でもプログラミングは行っていたようですが、新学習指導要領ではさらに踏み込んでいます。
左が新学習指導要領、右が旧学習指導要領です。

これまではも「簡単なプログラムの作成」程度の内容はあったようですが、新しい学習指導要領では、
(2)ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによる問題解決
となっています。すなわちネットワークを介して、お互いにやりとりできるプログラムを作れってことです。
「こちらの質問に対して、ユーザーが答え、またそれに返答する。」みたいな。

これはなかなか大変ですよ。

高校の先生はこれに備えて、まったく準備していませんよ。
いや、私の知らないところで準備しているんですかね???

正直、今日の中学校での研究授業は大学生の「プログラミング入門」でやるレベルの内容です。
違いがあるとすれば、コンピュータ言語を記述するわけではなく、scratchに代表されるような「ビジュアルプログラミング」だったことくらい。
コードは書かない代わりに、コードの代わりのスクリプト(コード代わりのブロックみたいなやつ)を組んでいきます。
(下手したら大学だってビジュアルプログラミングしているところもあるんじゃないかと?)

このままでは、高校だけ抜け落ちてしまいます。
考えねば。

「プログラミング教育って、必要なの?」

よく、「プログラミング教育って、必要なの?」って職場の他の先生に聞かれます。
「論理的な思考力を養うのにプログラミングは面白いと思いますよ。」
くらいなことをいつも答えているのですが、

今日の授業を見ていて、やる価値あるなと純粋に思いました。
あくまでも「プログラミングは手段」であって、結局は「相手(ユーザー)のために自分たち(メーカー)は何ができるのか」についてを深く考えるということです。


ユーザーのことを考えて頑張りすぎれば、メーカーは大変になり過ぎてしまうので、どこで折り合いをつけるのか。そのバランス。
今日「ユーザーの使いやすさのために、あとはメーカーはひたすらやる」という意見もありました。面白いです。でもそれって「私たち教員が生徒のためという理由で、時間を超過してでも働く」みたいなものだなと思ったりして、すごく深いテーマだと思いました苦笑

国はIT人材を増やしたいという狙いがあり、プログラミングを必修化したのだと思いますが、プログラミングの技術の取得だけでなく、プログラミングを手段としての論理的な思考力に主眼を置いて授業を行えば、多くの生徒の学びに対応できる気がします。
班ごとにプログラミングするのであれば、プログラムを書く人、アルゴリズムを考える人、データを収集する人など、様々な役割を分担しながらチームで作り上げてもいいと思います。

私と教科「情報」

私は数学の教員ですが、初任校の時に、「北海道情報大学」の通信教育で「情報」の免許を取得しています。

今日のプログラミングの授業を見ていて、情報を専門とする教える教員としてやってもいいなと思ってしまいました。
その思わせてくれるくらい、生徒たちは、すごく深く考えていて、楽しそうでした。

数学の授業もこのくらい面白い授業ができるといいです。最近の私の数学はどうしても受験対策に向けての授業となってしまい、どうしても「面白いことをやる」という視点がなくなっています。
もちろん、数学でも面白いことはできると思うんです。やっている人もいるし。
それでも言い訳になっちゃいますが、やはり時間がないです。
(その時間を捻出するために、AI教材を入れようとしているわけですが。)

どちらにしても、面白いことをしたですよね。

この2年間で、プログラミングのスキルをあげることも目標にしているので、scratchの得意な小6次女に負けないように、勉強しようと思いました笑

SDGsとは

持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。 SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。

外務省ホームページより引用
令和2年6月
外務省 国際協力局 地球規模課題総括課


今日も読んでいただいて、ありがとうございます。
前期の発表動画の提出が今週末に近づいてきています…

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