今日は長野県総合教育センターで「へき地・小規模校の教育実践〜個別最適化を実現する授業づくり〜」の研修でした。
この研修講座は、信州大学教職大学院との連携講座で同名の「へき地・小規模校の教育実践」の授業単位となります。今年度はコロナの影響で、ここまでへき地の学校にお邪魔することができず、ここまできて、第1回目の授業となりました。
今回研修内容の中で、私が印象深かったことについて、2回シリーズに分けてお送りします。
1回目は「少人数教育の実践」と「G-Suiteを活用した遠隔協働学習」
2回目は「自由進度学習」についてです。
今回の研修は「へき地・小規模校」と銘打たれてましたが、やっていることは小さな学校に限らず、どの学校にも必要なことだなと感じました。
少人数教育の実践
高校の小規模校といえば、2、3クラスの学校のことをいいますが、小学校などの小規模校は各学年2、3人、学年によっては児童数が0ということもあります。
今回は長野県木曽郡の学校の実践発表でした。
小規模校って聞くと、教員の人数も少なく、とても田舎で大変そうなイメージがありますが、
今回の研修では、「新しいことをやってみたいと思った時に、すぐにやれる良さがあるよね。」という話をされました。
確かにそうだなと感じましたし、実際の実践においても、積極的な改革がなされていました。
講義
そして、教授からの講義の中で印象的だったのは、
「これから急激に子どもの数が減っていく中で、学校の統廃合が進み、またそれにも限界があり、多くの学校が小規模校になってくる。それでも従来通りの一斉授業だったり、行事を続けていくのか。」
ということでした。
例えば、学校対抗の部活にしても、学校の規模が小さくなれば、特定の部活しかなくなり、(例えば男子はバスケット、女子はバレーのみとか)、学校対抗で争う意義がなくなります。
クラスの生徒が10人しかいないのに、40人でやっていた授業と同じことをやりますか??
ということになります。
また、この先社会で求められている力も急激に変化してきています。(society5.0)
もう手遅れ感も出ていますが、これまで先生たち自身が生徒や学生だった時の経験や、教師として実践してきた、従来型の一斉授業だったり、行事、部活動のあり方を見直す必要が急務ですね。
そんなことを感じました。
ちなみに長野県の人口は、2010年と2035年では、15歳未満の子どもの数は2/3になると予想されています。ちなみに65歳以上の、老年人口は減りません。やばいですよ。教育だけでなく、長野県全体が(日本もだけど)。
参考 長野県の区分別人口推移
ぜひ以下の参考のリンクのグラフを見てください。すごいですよ。これは。
実践発表
私が話の中で印象的に残ったことは、「木曽での新たな挑戦」についてでした。
具体的には
- 異学年集団での学習
(連学年、それ以上の学年)
①学校ごと ②他校との集合学習 - 個のペースで進める学習
①単元内自由進度学習
②おんたけ学習(無学年制自由選択式ドリル) - ICTを活用した遠隔合同学習
異学年集団での学習
1の②の隣接する(と言っても結構離れていますが)学校同士が、研究グループを組んで、協力しながら実践しているということでした。
それもかなり頻繁にやられていて、とてもいいなと思いました。
連学年の授業も4、5、6年生で5年生の国語の題材を使い、授業をすることで、それぞれの学年なりの感じ方があって面白いと話されていました。いいですね。
小規模校は、幼少期から家族的な繋がりで、小中と学んでいくので、どうしても身内ばかりとのコミュニケーションになり、大勢の人前で喋ったりする機会が少なくなります。
高校で勤務していても、小規模校から進学してきた生徒は、最初は生徒の多さに戸惑ったと言います。
個のペースで進める学習(自由進度学習)
そして、「自由進度学習」に取り組まれていました。
詳しくは次回説明したいと思います。
「自由進度学習」って知っていますか?
私は少し前まで知りませんでした。(本当に20年教師をやっていたんですか??ってくらい、何も知りませんね。)
最近、高校で自由進度学習に取り組んでいる先生がいて、教授に繋いでもらったことをきっかけに知りました。
知らない人は次回までに予習しておいてください笑
へき地の小規模校に関係なく、実践できるものだと思います。
ICTを活用した遠隔合同授業
やはり離れていても、ICT機器を使えば、距離はなくなります。
木曽地域は、これからいずれ長野県内の多くの小中学校が直面する問題に、どこよりも早く取り組んでいるのだと思います。
すなわち、長野県の最先端。(過疎化・高齢化・産業の衰退)
※資料の言葉を、使わせていただきました。
G-Suiteを活用した遠隔協働学習
そして、遠隔協働学習について、「信州大学次世代型学び開発センター」から「G-Suiteを活用した遠隔協働学習」についての簡単なレクチャーがありました。
信州大学次世代型学び開発センター
詳しくはこちらのリーフレットもどうぞ。
また、基本的には、教育学部の学部生や院生向けの組織ですが、⻑野県内の⾃治体を対象に,各⾃治体の「教育の情報化」⽀援事業を行っています。
詳細はこちらです。
G-Suite
G-Suiteはこのブログでも何度も出てきていますが、大学のオンライン授業ではよく使っています。
G-Suite for Educationは無料で使用できます。
無料ですよ。無料。(きっと我々が観ているYouTubeとかの広告料から出ているんですね。)
G-Suiteのドキュメント、スプレッドシート、スライドはワード、エクセル、パワーポイントと同様の使い勝手で、オンライン上で共有しながら使えるのがポイントです。
今回の研修ではスプレッドシート(エクセルとほぼ同様のもの)を使い、20人ほどの教員と教職大学院生で、一斉に編集を行いました。
これは、遠隔授業だけでなく、今回のように同じ教室内でも、十分に使えるので、PCやiPadを使っての授業中の利用にも向いています。
しかし、今回参加者にiPadが配られて使用しましたが、やはり文字入力がしづらかったですね。また、年配の先生方はiPadを使い慣れていないので、単語を入力するだけもかなり苦戦しました。
今回の研修はオンラインでもできる内容でしたが、そういった先生方の姿を見ると、まだまだ対面でやる必要性も感じざるを得ません。
タイピング速度
小学校の実践の話がありました。その中で、
「タイピングの速度を極めて速くしておく」
という話がありました。
やっぱり結局はそこなんですよね。
何故だかわかりますか?
ちょっとだけ考えてみて下さい。(1分待ちます!)
はい、それでは、説明します。(偉そうですみません!)
手書きによる文字入力の平均は、1分間に44文字程度だそうです。
それに対して、タイピングによる文字入力は60文字から100文字なのです。
ですので、タイピングはきちんとできれば、手で書くより、作業効率がいいわけです。
逆にいうと、打つのが遅いと、学習の速度が上がらないのです。
すなわち「学習速度を上げるため」に前提として、「タイピングの速度を極めて速くする必要がある」のです。
ちなみに日本の小学校5年生の平均は1分間に6文字、中学生で15文字だそうです。
もう、いろいろやばいですね。
だから、PCの恩恵を得られないのです。
すなわち、1分間に45文字以上を打てるようになったら、価値が出るということです。
「高校生でもタイピングできない子も多いが、どのタイミングでどうやって習得することがベストか」という質問をしました。そうしたら、
「小学校3年生ですね。スズキ教育ソフトの「キーボー島アドベンチャー」がいいですよ。」
と教えてくれました。
これです!!
RPGになっているので、面白いとのこと。
すみませんMacで開いたので、試せませんでした。Windows専用です。
2020年度からの学習指導要領によると、小学校3年生の国語でローマ字の読み方、書き方を学習することになっています。3年生で十分対応可能です。
うちの子どもたちは、タイピング能力が低いので、この夏休みになんとかしたいと思っていたのですが、休みが短すぎて、何もできませんでした。
ちょっと試しにやらせてみようと思います。
※学校でIDを持っていれば、家でも継続して使えるんですが、そうでないと期間限定の特別体験版になってしまいますね。
それでも、面白そうです。
これも以前のブログにも書いたように思いますが、先生方(大人)もタイピング速度にかなり差があります。仕事効率に大きな影響が出ています。
タイピングは打っているうちに速くなるものではないので、しっかりソフトを使っての練習が必要です。
fjfjfjfjfjfjみたいなやつです笑
まとめ
今回は半分だけ、書かせていただきました。
次回は「自由進度学習」について書きます。
ちなみに今日の研修冊子。
となっていました笑 わざとですかね笑笑 なんか前向きな感じでいいなと思ってしまいました。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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