104 教職員必見⁈ 科研費(奨励研究)に応募しました

強み・学校組織マネジメント

久々にしっかりとブログを書きます。
WordPress(ブログで使用しているソフト)の使い方忘れてますね苦笑

今回、だいぶ長いです。難しいところは適当に読み飛ばしてください。

科研費(奨励研究)に応募しました!(先週)
この1ヶ月半、頭の中はずっとKAKENHIでした。

今回のブログは、ぜひ学校の先生方に読んでいただきたい内容です。
先進的な取り組みや、研究をされている方は、ぜひ一緒に科研費に応募しましょう、というお話です。

科研費って知っていますか。
私は自分とは縁遠い世界のものだと思っていました。

今回応募することになったきっかけは、指導教官の
「うちのゼミでは現職の先生は科研費に応募するよ!」
の一言でした。

科研費とは

科学研究費助成事業(かがくけんきゅうひじょせいじぎょう)とは、日本の研究機関に所属する研究者の研究を格段に発展させることを目的とする文部科学省およびその外郭団体である独立行政法人日本学術振興会の事業である。国内の研究機関に所属する研究者が個人またはグループで行なう研究に対し、ピアレビュー審査による競争的資金を提供しており、年度毎の計画にしたがって交付される科学研究費補助金と、年度をまたいで交付される学術研究助成基金助成金の二本立てで構成されている。一般に科研費(かけんひ)と略称されており、国際的にも逐語英訳であるGrants-in-Aid for Scientific ResearchのほかにKAKENHIという呼称を定めている。

Wikipediaより引用

すなわち、科研費とは、研究者に対して、文部科学省および独立行政法人日本学術振興会が、研究に対して補助金や助成金を出してくれるお金のことです。

日本学術振興会の科研費のページはこちらです。

科学研究費助成事業 科研費

そして、パンフレットがこちら↓

このパンフレットでは、科研費の概要、応募・審査・科研費の使用・評価、適正な使用の確保、研究成果の公開、情報発信・広報普及活動、イノベーションの芽を育む科研費などについて、より深く科研費をご理解いただくために、わかりやすく解説しています。

https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/24_pamph/data/kakenhi2020.pdf

日本学術振興会より引用

パンフレットを見てもらうとわかりますが、「わかりやすく解説」と書いてはあるものの、それでも44ページありますからね。普通の人が、手を出すにはとってもハードルが高いです。

一番補助金の額が高い特別推進研究は、補助金の額が5億円!!
もう未知の世界ですね。

教職大学院の先生方の多くが取り組んでいるのは、真ん中くらいにある基盤研究のようです。
基盤研究には(S)(A)(B)(C)あります。
教職大学院の先生方の研究を見る限り、すごくもらっている人で2、3千万(めちゃくちゃもらってる)、大体は5百万くらいのようです。(3千万って想像できませんね。)

聞いた話だと、大学から出る研究費は、大学によって違い、私立だと大学からかなりもらえるそうですが、国立大学では自分で科研費などをとってこないと、研究費があまり割り振られないとのこと。
(国立大学も学校によって違うようですが)
そのため、先生方にとって、この科研費は重要な研究資金となっているそうです。

基盤研究だと、4年単位くらいで研究しているようで、4年目の時には次の研究を申請するそうです。また、個人研究とのものと複数での研究があるようです。

そして、私が今回取り組んだのは、ピンクで囲んだところにある「奨励研究」でした。

科研費(奨励研究)とは

奨励研究
教育・研究機関や企業に所属するもので、学術の振興に寄与する研究を行っているものが1人で行う研究。研究期間は1年間で、補助金の額は10万円以上100万円以下。

すなわち、小中高の教員や大学の教員、企業に所属する人が、申請することができます。
私は大学院生だからではなく、現職教員として申請しています。
(学生や現職の教員ではない院生は申請できません。)

でも、学校にいて、科研費の申請しているって先生、あまり聞いたことないですよね。
私は今まで出会ったことがありません。ひょっとしたら理科の先生とかで、自分の研究分野を持っている方は、出しているのかもしれませんが。

奨励研究でも 最高100万円。すごいです。
この存在を知っているか、知っていないかは、大きな違いです。

科研費(奨励研究)への道のり

先にも書いた通り指導教官からの「うちのゼミでは、現職の先生は科研費に応募するよ!」とのアナウンスが夏休み前くらいにありました。

9月の末くらいに、昨年度、科研費(奨励研究)に採択されたM2の先生からの説明会があり、科研費の研究計画書の申請に向けてスタートしました。
(これはちょっと遅めで実際には9月の最初にはHPにアップされているので、本来はもう少し早めに取り組みたいところではありますね。)

実際に採択された人からアドバイスを聞け、昨年度採択された研究計画書を見せていただけるのは大きなメリットです。正直、細かい字のホームページを見ただけではわからないことばかりです。
また、大学の先生方とは応募する区分は違いますが、先生方も本気で取り組んでいるので、そのアドバイスは非常に参考になります

研究計画書

奨励研究の研究計画書は、A4 5枚 だけです。
そしてそのうち、重要なのは2,3枚目のA4 2枚となります。
順に説明します。

1枚目

1枚目は表紙
名前や住所などの情報なのですが、頭を悩ませる部分は、「研究課題名」です。
40字以内なのですが、悩みました。
最終的には、指導教官、チーム演習の教授のアドバイスをもらい、決定しました。

研究課題名には「何のために、何を行うのか、研究方法」をきちんと盛り込んだ形です。

4枚目

2,3枚目はあとで説明しますね。長いので笑

4枚目は研究経費の使用内訳です。

設備備品費や消耗品、旅費などを書きます。
研究に必要なPCやタブレットなど、また視察のための旅費などです。

ポイントとしては、100万円の枠であれば、きっちり100万円分記入するとのこと。遠慮して少なめに書いたからと言って、採択されるわけではないそうです。
ただ、満額もらえるわけではなく、100万円で申請しても、採択された時には60万円とかに減額されてしまうそうです

しかし、そもそも、研究に必要なお金をもらうために科研費の申請をするのですから、とても大事なページです。(すなわちこのページのために皆さん苦労して書いています。)

また、「なぜその備品や旅費が必要なのか」の理由も書きます。

5枚目

5枚目は人権の保護及び法令等の遵守への対応です。

ここに関しては、M2の先生や、指導教官の先生ものもを見せていただきながら記載しました。

教育の研究は、アンケート調査、インタビュー調査また写真などを使用する場合があるので、相手に承諾を得ることなどを盛り込みます。
またデータの管理などについても記載しています。

2,3枚目 1文字500円

そして後回しにしました2,3枚目。
ここが最も重要な部分です。この2枚に99%の時間をかけてきました。
2枚目に研究目的、研究方法など、3枚目にこれまでの研究活動及びその成果を書くことになります。

この2枚で科研費がもらえるかどうかが決まります。
1ページあたり大体1000文字、2ページで2000文字です。
すなわち、100万円÷2000文字で、1文字あたり、なんと500円
!!

「研究」の2文字で1000円、「カリキュラムマネジメント」で6000円…

すごいですね。同じゼミの現職の先生とは「1文字500円」を合言葉にがんばりました

このA4 2枚が本当に大変でした。
何が大変かって、書いたことないから、どうやって書いたらいいかわからないんです。
とにかく昨年度採択された院生の計画書を真似するところからスタートしました。

20点

そして、9月末から始めたのに指導教官に第1版を出したのは、10月27日…全然書けず1ヶ月近くかかってしまいました。
そして指導教官から返って来た言葉は「20点…」でした。
・目的が大き過ぎて抽象的。結局何を研究するのかわからない。
・ぱっと見で、どこに何が書いてあるかわからない。
とのこと。

3秒、30秒、3分

科研費の審査をされる方は、かなりの数の申請書を読むそうです。
その中で1つの申請書にかけられる時間は限られていて
「タイトル3秒、研究目的30秒、研究計画、方法など3分」とのこと。
すなわち、「ぱっと見て、すぐに伝わるもの」でなければならないのです。

そもそも、よく様式を見ると次のように書いてあるのです。


目的(教育的・社会的意義)、どのような背景、問題意識で、研究期間(1年間)で、何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか。研究の特色と意義がわかるように研究目的、計画・方法を書けと、ちゃんと書いてあるんです。

ですので、これらの内容がどこにどのように書かれているかが、すぐわかるように書くことが大事になります。
私は、この説明文は読みはしましたが、結局曖昧に書いていました。
そのことを、指導教官に指摘され「20点」をいただいたのです。

また、審査委員が同領域他専門である場合が多いので、誰にでもわかるように書く必要があります。
そのため、チーム演習(研究分野が別の人たちとのグループ)でも見てもらうことにしました。

緻密な添削指導

チーム演習の教授(英語が専門)のアドバイスが素晴らしく的確で、衝撃を受けました。ここから、少しずつ書き方がわかって来ました。その時にいただいたアドバイスを録音しておいたので、何度も聞き直し、手直しして行きました。このアドバイスは本当にありがたかった。
さらに第2版をメールさせていただいたところ、さらに的確な直しの入った返信をいただき、相当に勉強になりました。
さらに、学校で教頭(大学院研修経験あり)にも添削していただき、実務課教員(義務の先生で大学の職員として派遣されている先生)の先生にもアドバイスをもらい、より細かく確認することができました。

「あぁ、こうやって学んでいくんだな」と強く実感しました。

そして、指導教官にも、「だいぶ良くなった」とのお言葉をいただきました。(やった!脱20点)

作成上のポイント

  • タイトル3秒、目的30秒、研究計画など3分
  • ・文字ばかりを書き過ぎない(読む気を失わせない)
  • ・図やグラフを効果的に使う(ぱっと見でイメージが伝わるように)
  • ・どこに何が書いてあるか、わかりやすいレイアウト(書くべき項目は決まっている)
  • ・同領域の他専門の人にもわかる表現(誰にでもわかりやすく)
  • ・読んで欲しいところは太字下線で強調(ここだけ読んでもある程度内容が分かるように工夫)

完成

最後は、研究室で指導教官と最終チェックし、

  • 太字下線がしつこくならないように調整
  • ・何度も読み直して、より良い表現に
  • ・レイアウトを微調整して、少しでも読みやすく

上記のような点を修正して、どうにか締め切り1日前に完成し、締め切り日に申請完了しました。

審査

結果は4月です。
昨年度の採択率は15.1%。なかなか簡単ではないですね。

科研費の審査方法は明確に決まっています。
https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/01_seido/03_shinsa/data/r02/r02_tebiki06_shourei.pdf


こんな流れです。

1段階目

2段階目

まとめ

今回、科研費の研究計画書を書くことで、得るものは多かったです。具体的には、

研究計画書の書き方がわかった

これで来年度以降はもっとスムーズに書ける。
大学院を修了しても毎年出し続ける。←これ大事。
今回申請した研究内容は、私がこれからやって行きたいことの入り口です。ここから、継続して研究していきたいと思っています。

今年度の研究を前に進めることができた

3枚目に「これまでの研究活動」を書かなければならなかったので、急ピッチで今年度の研究を進めた。これがなかったら、間違いなくもっと、のらりくらりしていたでしょう。(ダメなやつ)

研究に具体性が出た

目的を何度も何度も考える中で、自分が目指していることが明確になって来ました。
頭の中にバラバラにあったことが、少しずつ繋がって来ています。

仲間の素晴らしさ

一緒に取り組んでいたM1の現職の先生とは、何度もzoom、LINEでやり取りし、お互いの計画書を見合いながら、取り組んできました。よく考えると対面では5回くらいしか会っていないような気がしますが、もう毎日、「恋人か?!」っていうくらい連絡を取り合っています笑
また、ゼミの院生、学部生は本当に素晴らしく、いつも感謝しています。めちゃくちゃ優秀な人たちです。
そして、研究のためにわざわざテストを行い、アンケートに回答してくれて素晴らしい方々のおかげで研究を進めることができました。心から感謝しています。

まとめのまとめ

もちろん、補助金は欲しいですよ笑
でも、得るものが多かったので、すごく満足感はあります
本当に勉強させてもらいました。
12月に今年度のまとめのポスターセッションがあるので、それに向けての重要なステップともなりました。(もしこれがなかったらと思うと怖い。)

ここからさらに研究を進めて行きます!
次回以降のブログで研究協力のお願いも書かせていただきます。

大変長々、書かせてもらいました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。

私の周りには、かなりこだわって緻密に指導されている先生が大勢います。
ちょっとまとめれば、すぐに申請書を書ける気がします。
ぜひ来年度、科研費(奨励研究)にチャレンジしてみませんか。
私もまだまだ未熟ですが、サポートいたします。一緒にやりましょう。

では、また。

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