67 20年教員をやってみて、あった方が良いと思った力

教育

今回は私が20年高校の教員をやってみて「あった方が良いと思った力」について書いていきます。教員になりはじめの人、これから教員になろうと思っている人の参考になれば幸いです。

教員免許は中学・高校と持っていますが、高校での勤務経験しかないので、話は高校寄りになると思います。

特に大事だと思う力

まずは、「特に大事だと思う力」です。

教科指導力

やはり一番はこれですね。
生徒たちにとって、学校で一番長い時間を過ごすのが、授業です。
正直、他の力が十分でなくても、教科指導力が高ければ、どうにかなります。

私は数学と情報の教員ですが、
この「教科指導力」というのは、「数学の問題を解くのが得意」とは少し違うように思います。
すなわち「数学が得意」=「数学を教えるのうまい」ではないですね

なので、例えば高学歴の先生が一概に授業がうまいとは限りません。
自分の理解していることを、いかにわかりやすく人に伝えることができるか、ということなのかなと思います。
中高時代から、友達に教えたりするのが、好きだった人は得意ですね。

それでも、進学校などでは、最終的にはその分野の専門家である先生に、惹かれる優秀な生徒は多いような気がします。(特に理数系)
(多少強化指導力がなくても、やはり学問に対する深い理解は魅力です)

組織マネジメント力

これまで何度もブログにも書かせていただいていますが、「組織マネジメント力」は超重要な能力となります。
「クラス経営」「部活動」「教員同士の関係」「保護者との関係」「地域連携」など、学校は人と人と関係性で成り立っている場です。
組織をマネジメントできる力は必須な能力になります。
教員になるような人は、生徒会長や、部活の部長など、リーダー経験が多いようには思いますが、自身の経験だけではどうにもならない面もあり、マネジメント力を学ぶ機会が必要だと私は考えています。教わった方が早いこともある。

コミュニケーション能力

上のマネジメントともつながってきますが、かなり多くの人と関わっていくため、コミュニケーション能力は欲しいところ。
ただ、ですね。私はあまり人とのコミュニケーションが得意ではないですよ。
特に人見知りなので、初対面の人とのコミュニケーションは苦手ですね。

「コミュ障」という言葉があるくらい、現代はコミュニケーションについては意識されていますが、ひとまず人を不快な気持ちにさせてしまうようなことを、バシバシ言ってしまうようでなければ、大丈夫かなと思います。

コミュニケーション能力と一口に言っても、様々なものがあります。
教員にとって、あって欲しいコミュニケーション能力を挙げておきます。

教員に欲しいコミュニケーション能力

多くの人と仲良くできる

これに関しては、できた方がいいけど、できなくてもどうにかやれるかなと思います。(特に大事たと思う力の項目で書かせていただいていますが)
 基本的に、生徒であっても、教員同士であっても全員に好かれるということは、無理なので、うまく関係を築けない人がいても、仕方ないと割り切ることも大事です。(努力はしますが)
なので、多くの人と仲良くやろうと思っていることが大事で、できない部分はあまり気にするな、と言った感じでしょうか。

自分の考えを述べることができる

述べられる人は、もう十分述べられているはずなので、それ以上述べなくて大丈夫です。むしろ、すぐ喋ってしまう人は、よく考えてから喋りましょう笑
逆に、述べることができない人は、いつも発する必要はないと思いますが、自分の意見を述べるということは、自分の発言に責任を持つということなので、責任を持つという意味でも、言葉を発することができて欲しいかなと思います。

人の話を聞く(傾聴する)

教員にとって、案外できないのがこれです。
自分が主張するのは、できます。でも人の話は聞きません。
「いや、私は聞いているよ」という人も、もう一度考え直してみてください。
自分の経験に照らし合わせながら、聞いていませんか。
相手が話終わる前に、何か言おうとしていませんか。

それは、聞いていることにはなりませんね。
傾聴という技術は本当に難しいです。
私もどうしても上記のように、自分の経験に基づき聞いてしまい、相手が話している間に、自分が何を話すか考えてしまいます。

人の話を聞く技術は非常に重要です。
傾聴という技術も、本によって解釈が違い、興味深いです。
今度、機会があれば、傾聴について書いてみたいと思います。

時々、すごく自分の話を聞いてくれる人に出会いませんか。
とても気持ちよく話せますよね。そうすると、相手のことを信頼できますよね。
そういうことなんだと思います。

得意なスポーツや技能があること

実はこれ、かなり重要です。
現在の学校のシステムでは、校務分掌として部活動の顧問を割り振られます。
自分の専門がある先生は、その部活動を持つことが多いです。
ただでさえ、忙しいのに、放課後や休日に、まったくわからない部活の指導をするのは非常に辛いです。
指導ができないので、みているだけにしても、大変です。
「部活に行くくらいだったら、その時間を教材研究に当てたい」と思っても、当然です。

ですので、運動や文化的な素養があることは、とても大事なように思います。
部活動を少しでもストレスなく指導できるように、自分の得意なことを持っておくことは必要かなと思います。

いずれは、部活動は学校から切り離されていくかもしれません。
しかし、現時点ではそうではありません。

また、学習指導要領の上では、部活動は教育課程外の活動だからと、顧問を断る先生もいますが、断ったことにより、他の人の良い先生(断れない人)にしわ寄せがいっていることは忘れないで欲しいと思いますね。

学習指導要領には
”学校教育の一環として,教育課程との関連が図られるよう留意する”
と書かれています。

参考資料 運動部活動の現場について

ただ、このグレーゾーンな感じの書き方に対して、問題があることも事実です。
少なくとも、やる以上は少ない手当て(高校生のバイトより少ない)ではなく、きちんと勤務と同程度の報酬を出すべきです。(財源がないのはわかるけど、教育にもっとお金をかけるべき)
その辺りのことも、またどこかで書きたいと思います。

ICT機器を使いこなす力

今までもそうでしたが、これからはもっと必要です。
そもそも、ブラインドタッチはできますか。(こんな初歩的なことと思われるかもしれませんが)
実はタイピングの速度により、仕事の効率が違うということが、最近わかってきていました。
「あの先生、いつもPCに向かって熱心に仕事しているよね。」
って思っていたら、実はタイピングが遅いだけだったってことはあります。

速さは強さです。

ワード、エクセル、パワーポイントの基本的な操作はマストですね。(今時中学生でもできますが)

学校に何人かはエクセルでマクロを組んだり、アクセスでデータベースを作れると良いです。一応私もできます。マクロアクセスは教員になってから勉強しました。

あとは、動画編集できると、何かと便利ですね。

今の若い子たちは問題ないと思いますが、
スマホやタブレットを使い倒しているかどうかも、すごく大事な気がします。
使った経験があるからこそ、即座に対応できるのかなと思います。
まだまだ、教員はこういったガジェットに対して、抵抗がありますが、どんどん使って、どんどん使わせて、というような世の中になってきています。

ただし、紙とペン、黒板とチョークの良さがなくなったわけではなく、それもすごく大事です。私は黒板にフリーハンドで円を書くのがめちゃくちゃ得意です笑

学び続けようとする心

慣れてきて、学びを止めてしまうのではなく、いつまでも学び続けようとする心。
こういう先生に出会うと、子どもたちもそういう人間に育つように思います。
慣れは敵。
私は、こういう心を持ち続ける人と、一緒に働きたいです。

強靭な肉体と精神力

いちいちクヨクヨしたらやっていけないので、うまくいかなかった時にも、へこたれずに、立ち直れる肉体と精神力。
(教員に限らず、どの仕事にも必要)

あった方がいいと思うこと

ここからは、なくてもやれるけど、「あった方がいいと思うこと」について書きます。
何気に大事です。

小綺麗にしている

結構次のような先生いませんか。

・毎日同じジャージを着ている
・袖の汚れた服を着ている
・いつ洗濯したかわからないチョークのついた白衣を着ている

社会から断絶された???世界では、通用するかもしれませんが、やっぱりやばいです。生徒も一応教員だから、慕ってくれていますが、社会人として、アウトです。

特に着飾る必要はないと思いますが、最低限、清潔な格好はしたいところです。

ちなみに私の県は、服装に関する決まりはないので、スーツで授業をしなければならないというようなことはありません。

整理整頓

この本でも著者は、”平均的なビジネスパーソンは探し物で年間150時間も浪費している”と指摘しています。


気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ

そう、身の回りの整理整頓は、重要なミッションです。
できる人はできるんです。でもできない人はできないんです。
私も苦手。

そもそも、配布されるプリントが多すぎるのと、多種多様な業務が混在しているため、整理整頓が難しい。
是非とも身に付けたい能力です。
良い方法があれば教えてください。

「どこで仕事をしているんですか?」みたいな机になっている人もいますね。(時々雪崩が起きる)

スケジューリング能力

これまた、欲しい能力です。
教員は締め切りが守れない人が多い気がします。残念ながら。
子どもたちには、締め切りに厳しいんですが。
(もちろんきちんとしている人も大勢います。)
上でも述べましたが、やることが多すぎることや、どうでもいい形式的な仕事が、多くあることも確かですが、スケジュール管理ができないと、結局自分を苦しめます。

また、部活の予定表など、直前にならないと提示できないと、生徒や保護者に多大な負担をかけるので、早め早めにやることを意識した方がいいですね。
(そういう私も大会の承諾書など、配布がおくれ迷惑をかけてしまったことが多々あります。)

文章力

以前、62 学級通信のブログの時にも書きましたが、やはり教員は書くことが多いです。文章力はあった方がいいですね。
私自身は、教員になってから、書く力を身につけました。

学校のこと以外の何か

教員の多くは、もう本当に学校にすべてを捧げる形になってしまうので、飲み会なんかで話をしていても、学校の話が多いです。(私も含め)
それは決して悪いことではないんですが、学校とは別の自分の世界があるといいなとは思います。
ありますか?趣味や好きなこと。
あった方が、気持ちを切り替えるのにもいいと思いますよ。

英語力

英語ができなくても、全然問題なくやれてしまう学校という世界。
でもこれからの日本を考えたときに、英語力は必須で、教員ができないのはちょっと恥ずかしすぎる。
教員ができないから、生徒にも必要感を持たせられないような気もします。
私は恥ずかしながら、全然ダメです。大学院のうちに何とか獲得したい力です。

週1とかで教員向けの英会話の校内研修があったら、参加するかな。

まとめ

小中学校であれば、「子どもが好き」であることが一番かもしれませんね。
特に小学校は子どもと一緒にいる時間が長いので、好きじゃないとやってられません。

一番大事なもの

本当は最初に書きたかったんですが、恥ずかしいので書きませんでしたが、
私が一番大事だと思っているのは、

愛です。

突き詰めていくと、最後はここにたどり着くように思います。
結局最後は、愛があるかどうかです。これは紛れもない真実。

最後に

今回は私が考えたあった方が良いと思った能力について述べましたが、これは多くの先生と話をしたら、もっと別な視点で見つかるように思います。

「これも必要だよね。」っているものがありましたら、是非教えてください。

今日も最後まで、読んでいただきありがとうございます。

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