63 考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門 レビュー

教育

哲学対話

信頼している先生から、「哲学対話」の本を勧めていただいた。
哲学???
割と人に本を進めるくせに、人に勧められても、自分のタイミングが来ないと、なかなか読まない私。
私の周りの仲間は、いつも勧めるとすぐに読んでくれる人ばかりなのに、ごめんなさい。
それでも今回は、Kindle unlimitedで無料で読めたこともあり、すぐに読んでみました。きっと今が読み時だったのです。
(大学の図書館で借りた本は全然読んでいません。)

考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門 (幻冬舎新書)


考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門 (幻冬舎新書)

学校関係者には是非読んでもらいたい1冊です。

「哲学対話」とは

「『考える力』を育てる『哲学対話』」(視点・論点)
こちらを参照ください。

このサイトにも出ていますが、

哲学対話のルール
①何を言ってもいい。
②人のいうことに対して否定的な態度を取らない。
③発言せず、ただ聞いているだけでもいい。
④お互いに問いかけるようにする。
⑤知識ではなく、自分の経験にそくして話す。
⑥話がまとまらなくてもいい。
⑦意見が変わらなくてもいい。
⑧分からなくなってもいい。

学校は「考えること」を教えていない

私がこの本を紹介したいと思ったのは、「哲学対話をやりましょう。」ということではなく、(もちろん試してみたいという気持ちはありますよ。)
本書には、以下のようなことが述べられていたからです。

語る自由を奪う教育
自由に考えるためには「何を言ってもいい」ということが必要なのだが、この原則からすると、学校は正反対の場所である。そもそも学校では言うべきことが決まっている。それは「正しいこと」「よいこと」「先生の意に沿うこと」である。(正確に言えば「正しいとされていること」「よいとされていること」「先生の意に沿うとされていること」である)。
それ以外は言ってはならない。間違ったことを言えば「違う」と否定され、悪いことを言えば「そんなことを言ってはいけない」と諭され、先生の意に沿わないことを言えば怒られるか嫌われる。そうやって言っていいことと悪いことの線引きがなされる。

結果として、学校は「考えること」を教えていないと言っています。

私は生徒たちとの「対話」を大切にしています。いや、しているつもりでいます。
「私の顔色を伺わずに、自分の思ったことを言っていいよ。」といつも言いながら、生徒たちと接してきました。
しかし、今回本書を読んでいて、果たしてこれまでのやりとりは「対話」だったのかなと、疑問を感じざるを得ませんでした。

もし、上記の引用部分を読んで、
「これは学校教育の否定なのではないか。」
と憤りを感じた人(先生)や、逆に強く賛同した人(先生)は、是非読んでみて欲しいと思います。

ちなみに著者は、

学校教育は否定していない。「考えること」を教えていない、もしくは「考えないこと」を教えていると言っているだけだ。そもそも学校というのは、考えることを教える場所ではないので、私の言っていることは学校の否定にはなっていない。たんなる事実確認である。

とも述べています。すなわち否定をしているわけではありません。

また、次のようにも述べています。

これからの社会では「考える力」が必要だから、学校で思考力を育てようという動きが出てきている。冗談か本気か分からないのだが、もし本気でそうしようというのであれば、話は違ってくる。学校も社会も、根本的に考えを改めるべきだ。

生徒の行動や態度をもっと管理して、そのうえで考える力を育てようとすれば(現在はそういう方針であるように見える)、考える力は育たず、教師と生徒の信頼関係はさらに弱まり、現場は混乱する。

私自身、この本に書かれていることに関して、肯定しているわけでも、否定しているわけでもありません。
ただ、自分が教師として、これからの在り方を考えたときに、学ぶべきことはあるなと思っています。

読まれる方は、クリティカルシンキング(批判的思考)を大事にお読みください。

私が感じたこと(箇条書きメモ)

本書を読んで、私が感じたことをざっと箇条書きにしておきます。
ほんとメモ程度ですが。

  • 「問う、考える、語る、聞くこと」
  • 「考えること」と「自由になること」
  • 自分自身の人生を生きる
  • 自分が人と関わる中で感じていた違和感が少し分かった
  • 自分自身が人との対話をしている中で間違えていたことに気がついた
  • 先行論文を読むなかで、疑問に感じていたことの正体
  • 「哲学対話」って、「哲学」という言葉を付けないほうが、よりイメージしやすい??
  • 学校の先生には読んでもらいたい
  • 子どもたちとの対話の中を見直すきっかけになった
  • 同じ種類の人ではなく、多様な人と話す
  • 他者がいて成り立つ
  • 「受け入れる」ではなく「受け止める」
  • 「理解する」のではなく「受け止める」
  • オンラインでの対話は成り立つのか
  • 哲学対話のスキルは身につけたい

まとめ

要約するというよりは、興味持ってくれたらいいな、というような気持ちで書きました。
十分に表現しきれなかった部分については、後日書き足してきます。
あと何度か読み直そうと思います。(読み直すときは、紙の本の方が便利かなぁ。)

また、9月に哲学対話の公開を行う高校があるので、参加してみようと思います。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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