私の地元(神奈川県)で指導主事をしている高校の後輩(元中学校教諭)とzoomでオンラインミーティング(情報交換)を行わせてもらいました。
今回は第2回です。
前回のブログはこちら
65 後輩指導主事とのオンラインミーティング①「ICT教育編」
前回のブログより
非常に優秀な男で、早くも指導主事です。
現場で子どもたちと関わっていて欲しい人材ではありますが、その力をより多くの人に届けるためには、偉くなっていくことも必要なのだと思います。
情報交換を行わせてもらったきっかけは、神奈川県のICT教育についての話を聞きたかったからなのですが、話題はその他にも私の研究である組織マネジメントのことや、学校目標の設定など多岐にわたりました。
私の研究の話
私の拙い研究のプレゼン動画もあらかじめ彼に送っていたので、みてくれていました。その内容の話もいくつかしました。
研究テーマがまだまだ絞り込めていないので、コメントしづらかったように思います。今後、彼から的確なアドバイスをもらえるよう、研究テーマの絞り込みをしていきたいと思っています。
私の研究分野は「学校組織マネジメント」です。
と言っても、私の指導教官にも言われましたが、
「学校組織マネジメント」と一括りに言っても、
「宇宙的に広いテーマ」です。
簡単に言えば、魚屋に行って、「魚ください!」
と言っているようなもので、
「何ていう魚かな??」の「何」をしっかり定めなければなりません。
学校組織マネジメント
マネジメントの重要性
以前のブログの
54 新任を育てる
でも書かせてもらいましたが、
大学ではマネジメントについてはほとんど学びません。
にもかかわらず、新任でも「学級経営」能力が必要ですし、
部活動でも「組織マネジメント」は重要です。
ある程度の年齢になれば、リーダーとして、教職員に対してリーダーシップを発揮していくことが求められます。
すなわち、管理職(校長、教頭)だけが学校組織マネジメントするわけではないということです。
一人で仕事をするわけではないので、対生徒、対先生、さらに言えば、保護者や地域に対しても、マネジメント力を発揮する必要があるわけです。(あ、あと家庭でも)
ではそれは、いつどのように学ぶのでしょうか。
私自身は
・自分の経験に基づいて実践する
・他の先生の姿を見て学ぶ
・本を読む
のどれかで構築してきたように思います。
ほとんどの教員がこんな感じではないでしょうか。
かなり行き当たりばったりです。
でも、本当にそれでいいんでしょうか。
だって我々は教育のプロですよ。プロ。それで給料もらっているわけです。
マネジメント関して、もっときちんと学ぶ場が必要だと思っています。
今回も話の中でも、
「学校で働く中で、マネジメントって意識したことある?」
って質問をしました。まぁ、彼はこれからは本当の意味で、マネジメントする立場にいるわけですが。
この問いかけは、今後私が「学校組織マネジメント」を生業にしていく限り(しようと思っている)、問いかけ続けると思います。
中学校時代の恩師
その中で出てきたのが、中学校時代のバスケ部の顧問の先生の話でした。彼が以前勤務していた学校の校長が、その先生だったそうです。
「管理職として、素晴らしかった」という話をしてくれました。
この話をする前に、少しだけ私の中学校時代の話をしたいと思います。
私の中学校時代
私の中学校は、私が入学する10年ほど前まで、学校の中でバイクが走っていたりする大変荒れた学校だったそうです。当時の先生の中にも、「授業中に生徒と揉めて、2回から落としたことがある。」というような嘘かほんとかわからないような話までありました苦笑
(その先生は私が出会ったときは温厚そうな方でしたが)
そういった過去もあり、私が入学した頃は、バリバリの管理主義な学校でした。
めちゃくちゃ怖い先生が多かったですし、校則も厳しかったです。集会などで整列する時にも、頭を少しでも動かそうものなら、非常に厳しい注意をされるんじゃないかと、微動だにせずに整列していたことを思い出します。
そういうふうに、めちゃくちゃ厳しい雰囲気で、それが当たり前の世界だったので、当時は特に違和感を感じませんでしたが、高校に進学してそのユルさに衝撃を受けましたね苦笑 その話はまたどこかでします。
そして、もれなく部活動もなかなかめちゃくちゃな世界でした。
詳細は、とても、ここでは書けません。
非常に熱心に指導していただきました。
めちゃくちゃでしたが、先生方が熱意を持って子どもたちに接していたことは確かです。かなり振り切っていたことは確かですが。
しかし、今回話を聞く中で、当時の印象とはだいぶ違い、非常に勉強になる面がありました。
先生方を見極める力
まず、彼が述べていたのは、その先生の「先生方を見極める力」でした。
「うまく仕事を割り降ることで、先生方を成長させるのがうまい」
と言っていました。
これから成長してもらいたい先生には、その成長につながるような立場を任せ、そこで活かしていくと。
彼も「研究主任を任せてもらった時に成長できた」
「なんだかんだ言って、うまく使われているけど、おかげで成長させてもらえた」と話をしていました。
学校目標
また、学校目標についての話をした時に、その先生の学校目標が非常にわかりやすくて浸透していた。という話をしてくれました。
これを詳しく書くと、どこの学校だかわかってしまうので、◯◯で書きますが、
「◯◯◯◯◯な生徒、◯◯◯◯◯な教師、◯◯◯◯える地域」
というような、明瞭で先生たちはもちろん、生徒も地域を支える方々も、常に意識できるものでした。
何より、その学校を離れて何年か経つ彼の口から、学校目標がスラスラ出てくるということが、浸透している証拠です。
皆さんは、今の学校の学校目標を言えますか???
目標って常に意識していないと、全然意味がないですよね。
年度末に来て、評価をする時にだけ見て、その目標に基づいて評価しても、まったく意味がありません。常に意識しているからこそ、意味がありますね。
何かにつけて、その目標を意識しながら、行動したという話をしてくれました。
目標自体の素晴らしさ、もさることながら、それが意識し続けられるものになっていることに感心しました。
当たり前のことだけど、案外できない
ここまで書いた2つのことは本来は当たり前のことなんですが、なかなかできないんですよね。
校長にしっかりとしたビジョンがあるから先生方も、生徒も、保護者も、地域も動ける。本当に良いサイクルです。
逆に、別な校長の話をしていた時に、校長の方針が曖昧で、
「先生方に丸投げしてくるけど、委員会で決めて校長に相談したら、なぜか反対されたことがある」という話になり、「そうなっちゃうと難しいよね。」なんて話もしました。
しかし、そういう場面ってよくありますよね。
管理職に限らず、部活なんかで先生が生徒に「よく考えろ!」って突き放したのに、生徒たちがよく考えて、先生のところに行ったら、「そうじゃない!」って言われちゃうやつ。これって、実は、先生が求めている答えは最初から決まっているんですよね。
教員(上司)が的確な投げかけをしていないのに、自分の求めている回答が返ってこないと怒るやつです。「答えが決まっているなら、最初から言えよ。」みたいな。
偉そうに書いていますが、私もそうだった時期や、今でもそうなってしまうこともあるので、気をつけないといけないと思っています。
書いているうちに、なんだかめちゃくちゃ長くなってしまいまいた。
すみません。
ここまで読むと、クラス経営や部活動のマネジメントは大事だけど、先生方のマネジメントは、それは校長がやればいいことであって、一教員にはまだ関係ない話じゃない???
って思われるかもしれません。
しかし現実はそうでもないんです。
公立高校のマネジメントの話
公立高校のマネジメントの話をしたいと思います。
あくまでもここからは私見です。所属を代表するものではありません。
様々な状況をより良くしたいと思って書いていますので、よろしくお願いします。
私の考える現状
私の勤める(長野県の)公立高校の校長は大体2、3年で異動していきます。長くて4年くらいではないでしょうか。
正直なところ、在籍できる期間が短かいこともあり、校長の色を出すことはできても、学校に大きな変化をもたらすまではなかなか大変です。
(もちろん、中にはめちゃくちゃ力があって、グイグイ引っ張っていける方もいらっしゃいます。)
なぜ大変かというと、私の勤める(長野県の)公立高校は良くも悪くも民主的だからです。
(他県で勤めたことがないので、他県のことはわかりません。)
校長からのトップダウンの方針は、あまりすんなり受け入れられず、そこにいる先生方の総意で、方針が決定される場面が非常に多いように感じます。
職員会で冒頭の挨拶以外で、校長が発言することは少ないです。
しかし、普通に考えて、多くの人が集まって、ある一定の方針を決めるなんていうことは、極めて難しいです。
結局のところ、声の大きな一部の人や、昔であればその学校の主(ぬし)のような存在の先生の一言で決まったりします(校長の先輩だったりして)。
当然、その学校に長く在籍している先生や、OBOGの先生は、「今までこうやってきた」という思いが強いので、何か変えようと思ったら、抵抗もあります。(もちろん、どんどん良い形に変化させていく人もいます。)
なので、校長がグイグイ学校を引っ張っていくというよりは、先生方の意見を聞きながら、先生方とうまくやっていくという雰囲気が生まれています。
しかし、現代は時代の変化が非常に早く、どんどん決断していかないと、学校は時代の流れについていけなくなってきています。
だから、学校は世間から取り残されがちです。(特に公立高校)
リーダーシップの取り方は、それぞれでいいと思いますが、変革のスピードは上げていかねばなりません。
今のやり方だと、緩やかな変化を促すのが精一杯なように思います。
ミドルリーダーの存在
このような現在の公立高校の状況から、校長がリーダーシップを強く発揮できないとすると、管理職と先生方を繋ぐ、先生たちがの存在が重要になってきます。
ミドルリーダー と呼ばわる40代前後の人たちです。
よく考えれば、役職もないのに、リーダーを語っちゃうんですから、おかしなものですが、現場の学校の構造を考えれば、いろいろ言っている時間はありません。
(私は個人的には、校長が本来の権限を遺憾なく発揮すべきだと思っています)
で、話は戻ってきますが、我々にとっても教職員に対する「学校組織マネジメント」の力が必要なのです。
管理職でもなんでもないけど。
でも、今その力をミドルリーダー の世代が身につければ、その先生方の多くが管理職になった時に、より良いリーダーシップをとれるように思います。
危機管理の弊害
今の学校は、どうしても周りから突かれないように、危機管理ばかりに目が行きがちで、積極的な教育活動をする先生が減ってきてしまっています。
確かに深入りしなければ、責任も問われません。
でも、それってどうなんですかね。そうなってしまったら学校で学ぶ意味がありますかね。
だからこそ、多くの人が、マネジメント力を高め、積極的な教育活動ができるといいなと思っています。
まとめ
大学院の実習で、神奈川の地元の小中学校に訪れる予定があります。
それに合わせて、勇気を出して、中学校時代の部活の顧問が校長をやっている学校を訪問してみようかな、という気持ちが少し湧いてきました。
まだ、ちょっと怖い笑
ちなみに私の母校です。
今回、後輩と話をする中で、いろいろ発見がありました。
本当にありがたかった。
今後、教員はもちろん、他の業種の人たちとも、「組織マネジメント」について、
身近な存在の人から徐々に話を聞いてみても良いなと、新発見がありました。
オンラインなら、割と自由にいつでもやれますね。
今日も最後まで、読んでいただきありがとうございます。
3日間連続で日中、外で部活指導をしていたので、選手よりこっちが熱中症気味です苦笑
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