70 「春夏冬休みの長さ」と「学力テスト」の相関関係

教育

私の主張

前回のブログでも述べましたが、「夏休みを長くしていこう運動」を展開している私。

私の主張は「長期休業が長いからと言って、学力が上がるとは限らない。」
というものです。


職員会でこの主張を、説得力のあるものにすべく、実は、昨年度末にデータを調べていました。(暇じゃないですよ笑)

簡単にいうと、長期休業を短くして、さらにやたら補習や部活を入れようとする先生に対して、「休みは短いからといって、いいわけではないですよ。」と言いたかったのです。

年度末に調べたデータに、多少曖昧なところもあったので、今回調べ直しました。

元データ

どのようなデータを調べたかというと、
本来であれば高校のデータで行いたかったのですが、ちょうどいいデータがなかったので、中学校のデータで行いました。

具体的には、夏休みだけでなく、「春夏冬休みの合計日数」と「中学校の学力テストの平均点」の相関をとりました。


本来、学力テストは3年時の4月に行われるので、2019年度の夏、冬、春休みの休みのデータと、2020年度の学力テストの点数で相関をとれれば良かったのですが、2020年度の学力テストは中止され、春休みもどこからどこまでが春休みだかわからない状態だったので、以下のようなデータを用いました。

「2019年3月〜4月までの春休み、2019年7月〜8月の夏休み、2019年〜2020年の冬休みの休みの合計日数」と、「2019年度4月の中学校の学力テストの点数」についての相関関係です。


もちろん「2018年度の休みの日数」と、「2019年度の学力テストの点数」で比べられれば、ベターだったのですが、2018年度のデータを見つけるのが難しかったのと、例年さほど休みの長さには変わりがないので、このデータを使用しました。

また、文科省のホームページでは、国数英の3教科のそれぞれの平均が出ていますが、今回はそれらを平均したものを使用しています。

休みの日数のカウントに使用させていただいたサイト
cocoiro
学力テストの点数を使用させていただいたサイト
都道府県別統計とランキングで見る県民性

ここまでよろしいでしょうか。

予想

それでは予想してみたいと思います。

問題 3択です。
「春夏冬休みの合計日数」と「中学校学力テストの平均点」の相関関係は、次のうちどれでしょう。
①休みが長ければ長いほど、テストの平均点が上がる。
②休みが短ければ短いほど、テストの平均点は上がる。
③休みの長さと、テストの平均点は関係ない。

②であれば、長野県の休みの短さは有用性があるので、認めざるを得ませんね…(休みは欲しいけど)

皆さんはどれだと思いますか。

感覚ではなく、理由をつけて考えてみてください。(2分)

それでは結果です。

結果

まず、データを見てみましょう。散布図です。

「春夏冬休みの長さ」と「中学校学力テストの平均点」の散布図

ちょっと細かくてすみません。
見た感じ、データに相関はありませんね。

相関係数rを計算してみました。

相関係数 r とは2つのデータの関係性をみる数字です。
-1 ≦ r ≦ 1 の値で表され、1 に近いほど正の相関があり、-1に近いほど負の相関があります。0に近いと、2つのデータには何も関係がないということになります。

今回の場合でいうと
①が正の相関であり(日数が長ければ長いほど、学力が上がる)、
②が負の相関です(日数が短ければ短いほど、学力が上がる)。

で、今回の相関係数は

r=0.07 !!!!

す、すなわち、休みの長さと、学力テストの点数はまるで、関係がないのです。

もう一回言いますが、まるで関係ありません!!

ということで、正解は

③休みの長さと、テストの平均点は関係ない。

でした!

まとめ

ということで、休みを長くしようが、短くしようが、学力には関係ないということがわかりました。
学力向上にはそれ以外の要素が重要であるということです。

素晴らしい。


誰かの声「そんなこと、データとらなくても予想できるでしょ???」
私「まーそうなんですが、やっぱりデータがあると、信頼性がぐっと上がりますよ!無駄でもやってみることが大事です。」


というわけで、私の主張は変わらず、「じゃ、やっぱり長期休業はしっかり確保しましょう!!」ということになります。
win-winなのは、休みが長くて、学力も高いこと。

「くだらないことに、時間を割いてるな。」
とか言っちゃダメですよ。真面目に考えていますからね。

こういう活動が何に繋がるかわかりません。

訂正

あ、前回のブログでいくつか訂正があります。

ちなみに私の調査では、全都道府県で、夏(ならびに冬春含めても)休みが短い都道府県は「山形県」ですね。ダントツです。長野県は短い方から2番目。


と言いましたが、正確には春夏冬の休みの合計が一番少ないのは、山形県ですが、夏休みが一番少ないのは岩手県でした。
また、長野県は短い方から2番目と言いましたが、7 番目でした。(夏休みの短さは4番目)
対比していた神奈川県も、夏休みはありますが、春休みが短いので、トータルでは長野県より短かったです。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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