前回まで「私とセンター試験」をお送りしました。
大学院生ですが、高校の数学教師なので、今回は共通テストの問題を解いてみました。
いつも通りお酒を飲みながら、解いているので、いつもながらちょっと頭はまわっていません。
今回は数学ⅠAです。
なお、現場から離れているため、素早く解けないので、時間は計っていません。
数学ⅠA
今回の共通テストより解答時間が60分から70分に伸びました。
全体的に文章量が多かったので、受験生にとって忙しかったことには変わりなかったかもしれません。
分析
問題
https://nyushi.sankei.com/kyotsutest/21/2/exam/2260.pdf
正解
https://nyushi.sankei.com/kyotsutest/21/2/answer/2160.pdf
※河合塾から引用
大問1 30点
[1]数と式
数と式は、落ち着いてやれば、できるのではないでしょうか。標準的な問題ですね。
過去問を見直してみて気が付きましたが、論理と集合が出ませんでしたね!
一般的に敬遠される分野ですが、やり方をマスターすれば10点分きっちりとれるので、個人的には美味しい問題だと思っていたのですが、なくなりましたね。
[2]図形と計量
問題そのものはあまり難しくないのですが、基本的な原理がわかっていないと後半はできないのかなと思いました。
今回は公式を覚えて解いているだけの受験生には戸惑いがあったかもしれません。
河合塾の解説にも、次のように書かれています。
4)は、辺と角の大小関係、正弦定理、余弦定理を組み合わせて考えなければならず、高い思考力が要求される設問であった。
大問2 30点
2次関数
陸上100mのピッチとストライドの関係性の問題が出題されました。
ピッチとストライドが1次関数で表されるのかは、ちょっと謎ですが、問題としては面白かったと思います。
ただ、受験生にとっては、最初から2次関数の式が与えられておらず、導き出さなければならない問題は、かなり戸惑うように思います。私も前任校の1度目の担任の時がそのような問題で、びっくりして、落ち着いて解けなかった生徒は多かったですね。
「とりあえず、平方完成して。」みたいなわけにはいきません。
過去問を見直しましたが、過去3年間は2次関数の式が与えられています。
身の回りの陸上関係者には、今回の問題が適切な問題だったのか、聞いてみたいです。
ちなみに今回の太郎さんの論理値の100mの最高記録は10秒33です。
今季日本高校ランキング2位です!!速っっ!!!
データの分析
新聞の誌面を見ながら、解いたので、箱ひげ図などが細かすぎて、1問、間違えました。すみません…
よく読めば難しくはないです。がいつもながら思うことですが、読むのがめんどくさいです。
そして今回は、相関係数などを求める問題が出ませんでしたね。その分楽だったように思います。
最後、男女の就業者数の比較の問題だったんですが、今の時代「男女の比較はどうなのかなー」と少し思いました。LGBTQ+がこれだけ話題になる世の中において。
私は今は授業でも男女の比較をする問いかけはやめています。
(今回の問題は男性の補集合が女性という論理を利用して解いていく形…)
第1次産業の就業者数が多い都道府県(都市部???)ほど、男性の就業者数の割合に対して、女性の就業者数が多くなる傾向にあるよ。ということを言いたかったんだとは思うんですが。
大問3 (大問3〜5のうち2問解答) 各20点
場合の数と確率
今回は確率の問題。最初から最後まで条件付き確率でした。
個人的には、条件付き確率は図式化して考えるのが好きなので、簡単に感じました。
普段の授業でも、板書などでも意識的に図を書いています。
あまり捻りがなく、後半はただ計算するだけって感じでしたね。
大問4 20点
整数
最初見た時、場合の数と確率の問題かな???って、思いました。
(反復試行の確率の問題でよくあるやつ)
1次不定方程式を解くわけですが、数字が小さいので、適当に数を当てはめても、半分以上は点数をとれそうな気がします。
数学的にきちんと解くことは大事ですが、臨機応変に対応することもまた大事ですね。
ポイントの一つは「逆回りの場合も考えよう」ってことでしょうか。
予備校などの解説を見ていないのですが、最後の方は一個一個確認するしかないのでしょうか。なんかいい方法がありそうな。
大問5 20点
平面図形
個人的には図がなくて、次から次へと図を書かされる平面図形の問題は苦手です。
今回も途中で円を3つ書かなければなりません。
選択問題の3〜5の中では一番難しかったかなと思っています。
やってみたみなさんはどうでしたか。
チェバの定理とメネラウスの定理は出ませんでしたね!
選択問題3〜5の選び方
選択問題はどれをやっても良いわけですが、私は生徒たちには試験が始まったら、いきなり解き始めないで、最初の1分を使って、すべての問題をざっと見るように指導しています。
特に選択問題の3問はどれが簡単そうか、ざっとみてから始めるようにアドバイスしています。
また、「平面図形」は定理を1つでも忘れていると解けないので、「場合の数と確率」「整数」の選択を推奨しているのですが、「場合の数と確率」が苦手な生徒が多く、実際は「場合の数と確率」を敬遠している生徒が多い、印象はあります。もう少し、こちらが良い指導ができれば、確率が得意になると思うのですが。
まとめ
平均点などの予想はちょっとできません。
できる人にとっては簡単だし、できない人にとってはできなそうなので、二極化は進みそうな気はしますが、どのあたりに落ち着くのかわかりません。そもそも何点とれたかなので、平均点は関係ないですね。
最近の数学の問題に対して思うこと。
- 公式を使うのではなく、その原理を問う。
- 問題文が長い。
- 計算自体は難しくない、ただ面倒な計算を結構させる。
そんな印象です。
読解力や思考力を問うているのはよくわかります。
しかし、私としては、数学の問題はシンプルであって欲しいと思っています。
あまり現実の事象と無理矢理結びつけすぎなくていいのではないかと。
数字を使った思考のゲームじゃだめですかね。(めちゃめちゃ勝手な私見です。)
得意な人はどんな問題でもできると思うんです。でも当然受験生の皆が、数学が得意な訳ではないので、共通テストはそんな得意ではない人にとっても、がむしゃらに努力すればできる問題であって欲しいなと思っています。数学が得意な人には国公立の2次試験や私大記述で問えば良いのではないかと思います。
と、偉そうなことを書いてしまいましたが、
問題を作っている人たちのことは本当にリスペクトしています。
毎回新しい発見があります。ありがとうございます。
これは、きっと教員に対してのメッセージなのだと思っています。
「こういう問題に対応できる授業をしろよ。昔ながらのやり方じゃだめなんだぞ。」と。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
次回はたぶん、「共通テスト(数学ⅡB)をやってみた」がアップされることでしょう。たぶん…
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